実は恐ろしい、きのこ都市伝説

きのこによる食中毒

この時期から増えてくるのが毒キノコによる食中毒。
年間100名を超す患者数である。
食べなかったら食中毒にならないのに、一向に減らない。
なぜか。
きのこには、都市伝説があるから。
きのこ都市伝説

このような言い伝えがあるけど、これって都市伝説であって真実ではない。
また、かつて食べられると言われていたスギヒラタケも健康障害の発生が確認さえているので、食べないようにと言われている。
毒キノコによる食中毒は化学物質によるものなので、
いわゆる細菌性食中毒の症状とは違い、
幻視、幻聴、知覚麻痺、激しい頭痛、めまいや重症化すると、様々な臓器や細胞に作用し、肝不全、腎不全、循環器不全の併発といった全身症状を呈して、死に至る場合もあります。
なので、以下のことを徹底して、自分や自分のまわりの人の健康を守りましょう
採らない、食べない、人にあげない

 

 

 

 

 

 

 

 

食中毒統計の見える化

毎年、厚労省から食中毒統計のデータが公表されている。
このデータは病因物質、原因食品や患者数まで、細部にわたったものとなっていて、よくみると、地域による発生内容の違いや全く減少していないものもある。
そこで、これを見える化してみた。
都道府県別の発生総件数と人口百万人当たりの発生件数を表示してある。
青色が発生総件数。星印が人口百万人当たりの発生件数。どちらも、数値が大きくなるほど、色のグラデーションが濃くなっている。
星印の下の数字は人口百万人当たりの発生件数。ちなみに全国平均は7.7
各都道府県のところをクリックすると、そこでの発生内容の詳細がわかる。
これをみると、自分のところの都道府県ではどの病因物質に力をいれないといけないかがよくわかる。
各地域において、特異的なものがないかを見極めて、有効に活用できたらと思う。
今後データを増やしていって、バージョンアップを図っていきたい。

ジャーサラダはフードテロ?!

世間では、少し前からジャーサラダというものが流行している。
どのようなものかわかりやすくいうと、
高さのあるジャムのような瓶に野菜を詰める→保存する→食べる
というものである。
瓶が透明であるため、何層にも積まれていく野菜は見た目に美しく、食欲をそそる。
しかし、その一方で食中毒の問題もある。
食中毒を引き起こす微生物には大きくわけて2種類ある。
ひとつが、増殖するために酸素を必要とする微生物(以下、好気性菌とする)
もうひとつが、増殖するために酸素を必要としない微生物である(以下、嫌気性菌とする)
私たちが日常生活で、あ、腐って嫌な臭いがしてる、ぬるぬるしてる、カビが生えているなどよく遭遇するのは、好気性菌が増殖した結果である。
この場合は、私たちの五感で食べる前に異常を感じることができる。

しかし、ジャーにビッチリ野菜をつめ、場合によってはオイルを入れたりする。そして蓋をする。
この蓋は食べるまで開けない。
こうすると、酸素のない嫌気性の状態が作られる。
この状態で増殖するのが嫌気性菌であるボツリヌス菌である。
ボツリヌス菌は増殖する過程で毒素を産生し、この毒素によって健康被害=食中毒が起きる。
そして、この毒素は自然界で最強の毒素と言われている。
どのくらい最強かを、体重60kgに人間の致死量で表すと、


ヘビ毒(タイガースネーク)0.6 mg、
フグ毒は0.03 mgである。
ボツリヌス毒素は0.00006 mg(一億分の六グラム)→約500gで地球上の全人類滅亡


今年の4月にアメリカでは、家庭でつくった野菜のビンづめが原因でボツリヌス菌による食中毒が発生し、1名が死亡している。

もちろん、ボツリヌス菌が増殖するような環境でない場合は、一般生菌が増殖しつづけている。
五感で感じるには相当数の菌数になっているわけで、市販されている加工食品と比較すると、ありえない数値だったりする。
よって、決して作り置きのできるものではないということを念頭におき、作ったらすぐ食べるで上手に楽しんで欲しい。

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写真はCDCより

水筒×スポーツ飲料に潜むキケン

酸性飲料容器の正しい使い方

水筒に何いれる?

先日、あるSNSで友人が、水筒にスポーツ飲料を入れてはいけないとう記事をシェアしており、危険だということを知らなかったと言っていた。
この危険性については、事例があり、過去に何度か食中毒事例として話をしたことがあるけど、やはり知らない人がまだまだ多いのだなと感じたので、改めて解説。

酸性飲料と金属との化学反応

よくある保温タイプの水筒は、直接飲料が触れる部分はステンレスが使われており、短時間で金属が溶け出すことはないが、目に見えないくらい小さくわずかでもキズがあった場合、そこからさらに奥の層(飲料と直接触れる部分であるステンレスの下の層)から金属が溶け出してくる。
では、なぜ溶け出してくるのか?これを理解しておかないといけない。
この説明はちょっと化学の話に。
スポーツ飲料はpHが3-4であり、あきらかに酸性である。
ということは水素がイオンとして存在している。
これが金属と接触すると、触れた金属は速やかに酸性飲料中の水素イオンと反応し溶け出すというわけである。
よって、スポーツ飲料のみならず、酸性飲料においては同じ事が言える。
では、同じような酸性飲料は何かといういうと、
炭酸飲料、果実飲料、乳酸菌飲料がこれにあたる。
なので、これらの飲料も金属製の水筒に入れると同様の現象が起きる可能性がある。
では、逆に酸性飲料でないものは?となると、これは、お茶、お水。

飲み物によって容器を選ぶ

よって、スポーツ飲料などを入れるときは、PETボトルなど金属製でない容器にいれること。
スポーツ飲料メーカーが粉末飲料を溶かして作って飲むために一緒に販売している容器として、プラスチック製容器をわざわざ売っているのは、今日説明した事故を避けるためであるとも言えるんだな。

また、水筒だけでなく、金属製容器-やかん-も同様に使用を避けましょう。

バイキング形式の焼肉での食中毒

7月初めに東京都内で、バイキング形式の焼肉店で食中毒がありました(病因物質は腸管出血性大腸菌O157) 記事はこちら
原因については、言及されていませんでしたが、おそらく生の肉に触れた食器・器具からの交差汚染と考えられます。
仮に、提供するまでのお店側の管理が問題なかったとしても、提供されている間に来店者の間でどのような行動がとられるかはわかりません。
よって、店舗として提供する側は、提供した後、来店者が食べるまでの事を想定しないといけないし、
利用者も各自がリスク管理をする必要があります。
From farm to Fork 食品の安全は農場からフォークまで、つまり食べるその瞬間まで、皆で考えていきましょう。

あじさいには毒がある

梅雨とあじさい

梅雨の時期になりましたね。
この時期に似合う花といえば紫陽花。
色も大変綺麗です。
そして、昔から和歌に詠まれるほど身近な植物でもあります。

食べるな!あじさい

しかし!あじさいには毒があります。
過去に(2008年、2011年)、あじさいの葉を刺身のツマのように料理にそえられていたものを食べて食中毒患者が出ています。

料理に何かそえられていても、それが何かわからないものは食べない。
明らかに食用とされているものは、たとえ添え物でも提供しない。

食べるな危険!

これは、あじさいに限らず植物性自然毒による食中毒には共通することです。
むやみやたらに、何でも口にしないように心がけましょう。

多発する植物による食中毒

植物性自然毒による食中毒
植物による食中毒については、定期的にここでも書いていますが、
そろそろそれに気をつけないといけない時期到来。
農林水産省からも注意喚起されています。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/natural_toxins.html

採らない、食べない、人にあげない
野草を採って食べないようにと言われているにもかかわらず、
今年に入ってからも、
スイセンによる食中毒、
チョウセンあさがおによる食中毒
発生。(厚労省食中毒発生事例速報より。平成27年4月3日まで)
くれぐれも、採らない、食べない、人にあげない。

細菌性食中毒とは違う
さらに、食中毒になる原因物質「毒」は化学物質なので、加熱により効力低下はありません!
よく言われている食中毒三原則「つけない、ふやさない、やっつける」は、細菌性食中毒に対しての予防スローガンなので、間違えないように。

いつまで続く?じゃがいものソラニン
なお、食中毒統計速報によると、じゃかいもによる食中毒も報告されています。
相変わらず学校で。
じゃがいもを栽培する→食べる が危険だと認識しないといけません。

ニラはスイセンと間違いやすいのです。

昨日、”今そこにある、ニラ。「野良ニラ」を収穫せよ”という記事を紹介していた人がいた。
記事の内容は、この時期ニラが花をつけているので、花のあるうちになら収穫して自分の畑に植え替えられるよというもの。
だがしかし。
スイセンとニラと間違えたことによる食中毒は後を絶たない。
厚労省の統計によると
過去10年(平成16年~平成25年)の間に122人の患者が発生している。
そして今年の5月もニラとスイセンと間違えたという事件が起きている。
冒頭に紹介した記事にも最後の方に、ニラとスイセンは似ているので注意という主旨のことは書かれているけど、やっぱり「採らない・食べない」というのが一番イイ選択。
というわけで、みなさん、「採らない・食べない」ですよ!

記事の中に気をつけるようにと書いていてもちゃんと読まない人もいるだろうなぁと思うと、結構怖かったりするのだけど、
これは、これで内閣府食品安全委員会に報告だね。

ひょうたんは食べられません!

以前、小学校の理科の授業でひょうたんを栽培し、それを食べて食中毒となった。そのときに、ひょうたんを食べることの危険性についてはこのブログにて書いたのですが(そのときの記事はこちら)、おかげで定期的に見に来てくれる人がいて、みなさんの役にたっているのなら何よりと思っていました。

ところが、先日ホームセンターで販売していたひょうたんの苗に食用のラベルが貼ってあり、食べたところ食中毒になったというニュースがありました。
すると、このニュースをうけてマスコミもひょうたんについて色々調べたのでしょうね。どうも私のひょうたんについて書いた先の記事に辿り着いたようで、東京の某放送局の全国ネットのある報道番組の制作スタッフから取材依頼がきました。
でも、そのときちょうど仕事で出かけており、先方はすぐに番組で使いたいという意向だったようで、取材にはなりませんでした。あぁ、残念!
ただ、直近で起きたひょうたんの食中毒については再度まとめておきます。
ニュースで“観賞用のひょうたんに食用のラベルを貼って”とありますが、ひょうたんに食用はありません!
ひょうたんと同じ仲間の食用の植物に“ゆうがお”があります。
“ゆうがお”は、干ぴょうの原料となる食用植物で、ひょうたんの苦み(毒性)が少ない品種として、食用に選別・改良されたものです。
ただし、このゆうがおも家庭菜園では、土台の接ぎ木や自然受粉などの条件によっては、苦みが強くなり人体に影響を与える程度の毒性をもつことがあるので注意が必要です(過去に食中毒事例が報告されています)。

さらに、花の鑑賞として販売されている夕顔は、正確にはヒルガオ科のヨルガオであり、食用のうり科のゆうがおとは異なり、食用ではありません。

取材依頼には対応することができなかったけど、内閣府食品安全委員会の仕事を担っているものとしては、こうして広報することで役にたっているようでよかったなと思う次第です。

 

お菓子と食中毒との関係

昨日こんなニュースが入ってきた。
“団子で食中毒、後遺症に菓子業者を提訴”
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130705/trl13070518280002-n1.htm

この食中毒事件は平成23年5月に発生、原因食材は団子及び柏餅。
病因物質は腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生)患者数287名、死者1名という集団食中毒である
(厚労省集計より)

お菓子、特に今回の事件の原因食材である団子や柏餅の場合、
もち米を蒸す、餡を作る以外に生産・喫食を通してこれだけしか加熱工程がない。
そして当然のことながら常温で販売されている。
さらに、時代の流れで低糖化となっている。
このように、食中毒が発生する可能性としての要素を多く抱えているわけです。

よって、事業者のみなさんは、今まで大丈夫だったから、昔からこれでやっているからではなく、衛生管理、特に微生物については神経質なほど管理と制御を行い、
消費者のみなさんは、自分の目で安全をお店を見つける力を養いましょう。

なお、これはあくまでも全体の流れをさし示したものであり、特定の個人・組織に対して言っているわけではありません。