万巻の書を読み、万里の路を行く

DSC_0308

 

明の末期の文人、董其昌の言葉「万巻の書を読み万里の路を行けば自ずと胸中に自然が映し出ようになる」をなぞり、「万巻の書を読み万里の路を行く」を座右の銘とした富岡鉄斎の書画展が兵庫県立美術館で開催されており、会期修了になんとか間に合って行ってきた。

富岡鉄斎の書画には全て、「賛」といわれるものが書かれており、この書画は何を読んで描くことになったのかの説明がある。そして賛のない画は画でないとの考えを持っていた。
その言葉の通り、そして座右の銘のとおり、富岡鉄斎は本に入り本から出て、書画に行った。
そして昨今のひらめきやインスピレーションについてふと思った。

ひらめきやインスピレーションが本当に素晴らしのか。
そして、そこにあるオリジナリティは立派なものなのか。
型破りという言葉がある。これはそもそもの型を熟知しマスターしたものがそれを破ることから型破りと言われている。だから、そもそも型のないところに型破りはない。
それと同様に、最近見聞するひらめきやインスピレーション、オリジナリティは自己満足の世界ではないのだろうか。
さらに、書画ごとの「賛」である。
私たちは日々有形無形のものを生み出しているが、そこには「賛」にあたるものがあるのだろうか。
ちっぽけな自己満足はやめて、万巻の書と向き合うことにこそ、万里の路を行く「賛」を知ることができ、そのように生きていかないといけないことを鉄斎の書画は語りかけていた。

臨床美術を体験しました

臨床美術

友人のお誘いで臨床美術を体験しました。

臨床美術とは
独自のアートプログラムに沿って創作活動を行うことにより脳が活性化し、認知症の症状が改善されることを目的として開発されました。
臨床美術士が一人ひとりの参加者にそった働きかけをすることで、その人の意欲と潜在能力を引き出していきます。
1996年に医者・美術家・ファミリーケア・アドバイザーがチームとなって実践研究をスタートさせました。医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチが特徴で、アートセラピーの先進国にも例を見ない先駆的な取り組みと言えます。

認知症の症状改善を目標として始まりましたが、現在では、
・介護予防事業など認知症の予防
・発達が気になる子どもへのケア
・小学校の授業「総合的な学習の時間」
・社会人向けのメンタルヘルスケア
など多方面で取り入れられ、いきいきと人生を送りたいと願うすべての人への希望をもたらしています。
(日本臨床美術協会ホームページより)

こんな風にやりました!

プログラムは色々あるようですが、今回は植木鉢に絵を描くというのを行いました。
植木鉢に草花が入っていると仮定してその地中はどのような様子か、こうだったらいいなーとか自由な発想で描いていきます。

まず最初にマスキングテープに好きな形に種を書いてそれを切り取って貼っていきます。
DSC_0287

その後、貼りつけた種の回りを好きな色で塗っていきます。
使う描画材はオイルパステル。
認知症の方も使うので、万一口にいれても危害のない素材で作られている描画材だそうです。
なるほど。

DSC_0285

使う色は16色ですが、土の中だからといって、安直に黒とか茶とか根っこは白っぽいよねとか理屈で色を使わないように、最初に黒・茶・白の3色は除けておき、残りの色で塗っていきます。

2色以上重なる部分はベビーオイルを使って混色することによって、描画材にない色を出すことができます。
また、色を塗った上から尖った割り箸で模様を付けることもできます。
そして最後にニスを塗って完成
DSC_0290

作業中には自分の事に必死で他の人のを見る余裕がなかったけど、
ニスを塗る段階になって、ふとまわりを見ると、なんとそれぞれ個性的なことか。
この個性の違いを楽しむことも重要でとても楽しい。

DSC_0293

DSC_0291

みんな違ってみんなイイ

最後に講師の方からの講評がありましたが、
”みんな違って、みんなイイ”という言葉のとおり、
各自がそれぞれ持つ良さを存分にアウトプットできた楽しいひと時でした。

現代美術振興財団 アートアワード CAF賞受賞作品鑑賞

P1000776.JPG

お友達の大和美緒さんが、
現代美術振興財団アートアワードCAF賞を受賞されたので見に行ってきました。

CAF賞とは・・・

CAF賞 は全国の美術系高校、大学、大学院、専門学校の学生の皆様を対象とした、若手アーティ
スト育成を目的とする、現代芸術作品のアートアワードでございます。
第二回目となる今年も、現在ご活躍中のアーティストや美術館研究員の方々などを審査員にお迎えし、
最優秀賞1名・優秀賞2名・審査員特別賞4名の合計7名の学生を選出させていただきました。
また、今年より最優秀賞を受賞された学生には海外留学渡航費用を拠出させていただきます。
若い才能を持った学生が、直接海外のアーティストと一緒に活動することで大いに刺激を受けていただき、その経験を帰国後の創作活動に存分に生かしていただきたいと考えております。( 第2回CAF賞 作品展案内より)

展示作品は受賞した23名の作品。
現代芸術ですので、いわゆる絵画に代表される平面のものだけでなく、
3次元のものもあり、また使用する素材も様々。
凝り固まった芸術脳を刺激されました。
冒頭の写真は、会場の入り口から撮影したもの。
正面に見えるのが大和さんの作品です。
いい場所に展示してもらえてよかったね!

なお、この作品展のあった会場は、3331 Arts Chiyodaというのは・・・・

3331 Arts Chiyodaは旧練成中学校を利用して誕生したアートセンターです。地下1階、地上3階の館内には、アートギャラリー、オフィス、カフェなどが入居し、展覧会だけでなくワークショップや講演会といった文化的活動の拠点として利用されています。また、誰でも無料で利用できるフリースペースも充実しており、お昼時には近隣にお勤めの方々やベビーカーを押すお母さんたちで賑わい、夕方には宿題をする子供たちの姿も見られます。

アートに興味を持つ人のみならず、誰でも気軽に利用できるのが3331 Arts Chiyodaの特徴。第一線で活躍するアーティストやクリエイターから、地域の子どもたちまでが集い、日常的に創造力を育む文化的活動に触れることができます。東京だけでなく、日本各地や東アジアをはじめとする「新しいアートの拠点」を目指す一方、区民の方々をはじめ人々の憩いの場でもあるのです。(3331 Arts Chiyodaのサイトより)

建物入ってすぐの場所はきっと昇降口だったんだろうけど、横に長いのを生かし開放感あふれる空間になっていました。カフェも併設され気持ちよかったー!
P1000778

P1000779

「単位展」に行ってきました

P1000765

東京ミッドタウン 21_21 DESIGN SIGHTで開催されている単位展に行ってきました。
この世の中のモノや環境に単位という一定基準を設けることによって、比較や共有を可能にしています。この知恵と思考の道具である単位をモノと提示し表したのが今回の単位展です。
昨今はSI単位系を使うようになっていますが、それでも昔ながらの単位(日本なら尺貫法、イギリスならヤード法など)も存在しており、それが国際単位をはじめとして他の単位で表した比較もありました。
その他にもピクセルがバイトを体感できるコーナーやマッハ1ってどのくらいかを映像で感じることもできました。
私が一番おぉーと思ったのは、木の樽に入っている清酒が最終的におちょこ何杯にあるかを、
さらに小さい木の樽、一升瓶、徳利と清酒をいれる容器の大→小へ変わっていきながら展示していたのは楽しかったな。
そして、さすが単位展。入場券にも単位が書いてありました^^
DSC_0281

単位展に行こうとあらかじめ東京ミッドタウンのサイトをみていたら、
デザインハブで「ももも展」をやっていることがわかり、こちらにも足を伸ばしてきました。
デザインハブとは、

「東京ミッドタウン・デザインハブ」 は、2007年4月に開設したデザインネットワークの拠点です。デザインのプロモーション・職能・研究教育という3つの異なる役割を担う機関が連携し、デザインによって 「人」「ビジネス」「知識」 を結びつけ、展覧会やセミナーの開催、出版などで情報を発信しています。(デザインハブ サイトより)

そして「ももも展」とは、「○○も○○と言える」と題して、違うとことから見るとわかること、異なる手法を用いるから表現できること、そしてこれもデザインといえるモノ・コト全部で11テーマが展示されていました。
その中で私がツボにはまったのは2つ
ひとつが「PLAY BALL」をしている様子の写真の中で、串に刺した団子を焼いている写真!確かにPLAY BALLだ。
もうひとつが「編み物の柄から顔をみつける」というもの。
実際の網模様からここ顔に見えるでしょ!確かに!でした。

この後、ミッドタウン内を散歩し、清々しい気候と美しい新緑でリフレッシュできた休日の始まりでした。

アートアクアリウムに行ってきた

DSC_0038~2

アートアクアリウムとは、アクアリウム×アートで、
アクアリウムを使ったアートの展示。
そして、そのアクアリウムにいるのが全て「金魚」
(今回は禁じ手といわれえいるくらげもいたけどね)
そこにデジタルの世界としてプロジェクションマッピングがあり、
また、オリジナルの音楽、アクアリウムを映し出す色の祭典もあり。
そして何よりも想像外だったのが、主催者側の金魚への想い。
ただ単に金魚を展示に使っているだけでなく、生き物としての金魚の専門的知識をもって接しているということ。
だから、そこにいる金魚も幸せに暮らしており、その幸せ感が見ている私たちにも伝わってくるんだろうなと感じた。
あと、私が個人的に興味をもって見たのがこの会場で行われていたプロジェクションマッピング。
映しだされる映像は、四季折々の花鳥風月なんだけど、投影する場所が屏風状になったアクアリウム。フラットでないためプロジェクターからの距離が全て一定でなく微妙に違っている。ということは、例えば普通にモニターで見ている時にOKな画像では、この屏風状のアクアリウムに映しだしたときには画像が歪むのでそれを考慮して作成しておかないといけない。これがデジタルの世界の面白さかもしれないって感じた。
また、会場内に流れている音楽は和でも東洋でもなく、でもα波が出ている?!と思わせるもの。
五感で楽しみ、そして勉強にも心の栄養にもなったひとときでした。

芸術の秋、学問の秋。そして味覚の秋

先日、電車内の広告でみつけた、野口久光ポスター展@京都文化博物館
油絵などの絵画は見る機会があるけど、
このような自分の中で何か気づきが起こりそうな予感する展示はめったにないので、ぜひ行かなくては!と思い、
ちょうど京都に行く用事があったので、それをかねて行ってきました。
戦前から戦後にかけての映画ポスターなので、どこかで見た記憶があるなぁと思いつつ見て回り、
野口久光氏は晩年は、彼自身が造形深かったため制作に携わることになったJazzのポスターやレコードのジャケットも展示。
映画ポスターでは、いわゆる「和」の色調。普段見ているのとはまた違った色調を勉強できたかな。
こちらは特別展示なので、そのあと常設展へ。
本当はゆっくり見たかったのだけど、時間の都合で駆け足で。
また機会を作ってゆっくり見よう。
DSC_0018 DSC_0014 DSC_0020

 

そして、午後からは
同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコース入門講座「ソーシャル・イノベーション(SI)が拓く世界」
に参加してきました。
実は、友人が現在のこソーシャル・イノベーションコースの博士課程後期に在籍しており、“こんなイベントするからきてね♪”と誘われたので軽い気持ちで参加したのですが、実はすごーく濃い内容。
このコースは、自分のなんとかしたいという思いをカタチにすることを学びます。
担当教授の冒頭のあいさつでは、コースの求める至福の追求が天国を作るにまで昇華し、さらにいっそうソーシャル・イノベーションに対する熱い思いをキャッチ。
各教員の話にはじまり、卒業生、院生がこのコースで学んだことによって、どう思いをカタチにしたか、そして院生からはどうカタチにしようとしているのかのプレゼン。
各自のもつフィールドワークが違うからこそ、学生同士の掛け算による新たな事柄の発生もあるし、聞いている私もインスパイアされる事が多々ありました。

その後は懇親会ということで、このコースの卒業生の方が経営されているお店へ。
こちらは季節とつくり手がみえるおばんざい食堂
このコースで学び、それこそ思いをカタチにしたお店です。
そういった思いのこもった美味しいお料理とお酒をいただきながら、ソーシャル・イノベーションとはとみんなで熱く語りながら過ごした秋の1日でした。
(写真はお店のおすすめの日本酒 料理はあまりの美味しさに写真を撮る間もなく、みんなのお腹のなかに^^;)
DSC_0024 DSC_0023

 

盛りだくさんの一日

今日は1月17日。19年前の今日、阪神淡路大震災が発生した。
いつも通り起床して、地震発生時刻の5:46にひとり静かに自宅で黙とう。
そして、この日は映画2本立てで観賞。
まず1本目は「ハンナ・アーレント」
tbn_5c02fa74d2d1bbab
ハンナ・アーレントはドイツ系ユダヤ人哲学者で全体主義を発表し、アイヒマンの裁判から悪の凡庸さを説いた人である。
ちょうど今、この悪の凡庸さを土台に原稿を書いているので、グッドタイミングだった。
そのあと、2本目は友人のおすすめである「アイ・ウェイウェイは謝らない」
200
アイ・ウェイウェイは中国の芸術家であるが、芸術を通して祖国の抱える問題を提起している。
そのドキュメンタリー。

2本とも時代も主人公の立場も環境も何もかも違うが、
共通して感じたことは、全体主義の中で我々は何を思考しどう行動するかがいかに重要であるか。
これについては、改めて内省したい。

そしてそのあと、阪神淡路大震災追悼行事参加へ。
厳かに追悼行事をやっている何十メートルか先で、客寄せパンダ的催しをしているのは、
個人的にはどうかと思ったけど、
お焼香をし、亡くなられた人の冥福を祈り、今生かされていることを感じながら、
今日見た映画を反芻している今夜。

文化な日

今日のタイトルをみて、
今日は、こどもの日だよ。感じているそこのあなた。
はい、今日は、間違いなくこどもの日です。
でも、私にとっては文化な一日でした。

まずは午前中。
DSC_0689
NPO食の安全と安心を科学する会主催
2013食育・食肉まつり~つながろう、福島~
に参加しました。
プログラムは次のとおり。
「食肉の安全:食中毒細菌リスクを知ろう!」東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター長 教授 関崎勉
「食肉の安心:大切なのは安全を理解すること」NPO食の安全安心を科学する会 理事長 山﨑毅
「食育:日本の食文化における食肉の重要性」料理研究家 服部栄養専門学校校長 服部幸應
この中で、私にとって収穫だったのは、関崎先生の交差汚染の説明。
食肉の食中毒細菌の説明ということで、大腸菌0157に焦点を絞ってお話されていましたが、
その中で、当然のごとく交差汚染の説明になって。
実は、この交差汚染を専門的知識のない人に説明するのが意外と難しい。
さらに、健康保菌者の話まで加わるとさらに輪をかけて難しくなり・・。
ところが、今日の関崎先生の説明は、なるほど~こういう風にすれば専門的知識のない人でもわかりやすいやん!という話のまとめかたで、大変勉強になりました。

さて、これが終わって向かった先は、
国立国際美術館
「美の響演 関西コレクションズ」と題して、関西一円の美術館より20世紀以降の美術作品集められた展示でした。
DSC_0691
現代美術については、見る機会があるようで意外とないので、そういう点ではいい機会だったし、
なによりも、おぉーーと感動する作品にいくつか巡り会えたことも収穫だった。
絵画だけじゃなくて、彫刻もあってなかなか見ごたえあり。
同じ美術館の中で、「ピカソの版画と陶芸」という展示もやっていたのでこちらも見学。
DSC_0692
私たちが知っている「絵」ではなく、版画と陶芸だったので、今まで知らなかったピカソの一面を知ることができた。

さて、ここまできたので、隣の大阪市立科学館も寄ることにした。
DSC_0693
こどもの日でイベントをやっていたので、館内はこども連れでいっぱい^^;
そんな中を見てまわったのだけど、
宇宙とその発見というコーナーで、スーパーカミオカンデについてじっくり見学。
先日読んだ本にこのカミオカンデのことが書いてあって、改めてそのすごさを再認識したのだけど、
さらに復習の意味で。
するとそのすぐ横に、南部陽一郎氏の自発的対称性の破れの説明がくわーしく展示。
これでようやくしっかりと確実に理解できた。
そして少し場所をおいて目をやると、江戸期の天文学というコーナーが。
江戸時代にできた暦の名前をみて当時使用されていた器具類をみると、まさしく「天地明察」の世界。
これを読んでいた時に思い描いていた風景が一瞬頭の中をよぎった。
このほかに「身近に化学」コーナーでは、たくさんの鉱物模型が展示。
あたりまえなんだけど、パワーストーンも鉱物のひとつなので、
研磨する前の状態のものがたくさん展示されており、しばし見入る。
その他、プラスチックや生薬、毒か薬かなんていう展示もあった。

さて、ここから次の目的地に移動するために、JR大阪駅方面に戻らないといけない。
そこで!近くにあるリーガロイヤルホテルまで行き、少しだけお買い物をして(ここのテイクアウトショップが上質なのは有名!)、
シャトルバスにてJR大阪駅へ。
そして、目指した先が
大丸ミュージアム
「パリー大阪 街と芸術をめぐる物語」と題して、
1920年~1930年の絵画、それもパリと大阪に謂れのある人のもののみ集めた展示でした。
DSC_0694
私がこれに行きたいと思ったのは、ロートレックと佐伯祐三の作品があったからなんだけど、
もう、期待以上に楽しめて、大好きなリトグラフもたくさんあり、
それ以外にも、新しく学ぶことのできた作品もあり、サイコーでした。

そんな、文化いっぱいの今日いちにち