モニタリングには文脈がある

温度計

受入検査の温度管理

ある食品工場に監査での出来事。
監査の主旨はいわゆる、都道府県版HACCPの認証取得。
現場監査が終わり、書類の監査をしている時に事件は起こった。
それは、原材料の受入検査の記録。
その記録には原材料の温度記録があるが、基準が示されていない。
基準は別途基準表で明確にしている場合もあるので、基準はいくらですか?と聞くと、
なんと!基準がないとの回答。
基準がないなら測定する必要がないのでは?→でも●℃以上の高温だったら・・→過去にあるの?→ありません
↑こんな押し問答を繰り返しながら、なぜ測定することに至った経緯を聞くと次の通りであった。

温度管理をしている理由

この会社は、ゆくゆくはISOやGFSIの国際認証取得を目指しているため、それに関する書籍等を見ていると温度のモニタリングが必要であると書かれていたので行っているとの回答であった。
確かにその類の書籍にはそう書いてあるだろう。
しかしそれは微生物による危害というのが背景にある。
この会社の場合、該当の原材料は常温品であり、商品も常温である。
そこに温度をモニタリングしないといけない文脈はあるのか?である。
確かに夏場は輸送中に温度が上がるかもしれない。ただ、原材料の購買先は所要時間5分という距離であり輸送中での温度上昇は考え難い。さらに、高温だったら・・・のコメントで問題とされる温度でもし入荷されたとしても、全品外観チェックの際に、触感でわかる温度である。
いや、それでも温度のモニタリングが必要であるとするならば、基準が必要で、基準外の措置も決めておく必要がある。
そうでなければ、そして外観検査で判別レベルであるのならば、モニタリングが必要でないし、本当に必要かを再考しなければならない。

全ての行為には文脈がある

今回のように、ゆくゆくは国際規格の認証をと考え、それに関する書籍等を読んでいると、こうしたらいい、こうすべきということが書かれている。だが残念なことに、そうすべきということに至った文脈や背景は書かれていない。
なので、こうするという行為のみを踏襲しても、そこにある文脈まで理解していないで行うと、上記のように意味のないモニタリングとなり、さらにその分作業を増やすだけである。

予防コントロールでのモニタリング

モニタリングは危害によっては必要不可欠である。そのためには基準が存在していなければならないし、基準を逸脱したらどう処置をするかを決めておかなければならない。そしてもちろん基準外となった場合には、想定される危害によって汚染されるという文脈が必要である。
これらのことを踏まえたうえでモニタリングを組み立てないと、数値を記載しているだけとなってしましい、危害に対する効果的な予防とならないことを認識する必要がある。
さらに、HARPCでは頻度についても言及している。その頻度が適切であるのか、この機会に再考してほしい。

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