スパイスを輸入するということ

先月の後半にに食品輸入のコンサルというかアドバイスをしている話をしましたが、その続きの話です。
クライアントであるX社が多種多様な食品の輸入を希望されていて、その希望商品群の中にスパイスがあります。

輸入後のいわゆる一括表示にも関わっていますが、スパイスの場合、それについてはさほど複雑ではないため、大きな問題はありません。それよりも問題になるのは、
本当に輸入できるのか?という点です。
この場合、主に問題になるのが、
1.放射線照射の有無
2.アフラトキシン(カビ毒の1種)の有無
3.残留農薬
です。

1.放射線照射の有無
日本においては、放射線照射はじゃがいもの芽の発芽防止以外の目的で照射してはならないと食品衛生法で定められています。しかしながら諸外国では、微生物汚染による食中毒防止のために、放射線照射がされており(基準はcodexに準拠 10kGy)、その量は2005年で404,804トンとなっています。そして、使用後に十分な加熱工程のない香辛料においてはその使用は顕著となっています。
そのため、輸入の際には放射線照射をしていない「NO RADICAL」の証明書が必要となります。

2.アフラトキシンの有無
アフラトキシンとは、カビ毒の1種で亜熱帯から熱帯に生息する、ある種のカビによって生成されます。
このアフラトキシンは肝細胞がんを引き起こす物質として知られており、IARCの分類ではクラス1に分類されています。そのため日本ではアフラトキシンの存在が食品衛生法で認められていません。
輸入の検疫時に、このアフラトキシンが亜熱帯あるいは熱帯が原産国の食品あるいは加工食品から検出されることがあり。その場合は輸入が許可されず積戻しとなってしまいます。
よって、アフラトキシンの検査を一度もしないというのは非常にリスクが高いことになります。

3.残留農薬
ハーブなど一部のスパイスにおいては、その輸入形態によっては野菜等と同じ扱いになる場合があり、その際には残留農薬の検査がが行われます。もしこの基準を満たしていない場合は、輸入が認められず積戻しとなるため、あらかじめ残留農薬の検査をしておく必要があります。

スパイスは、そうざいのように原材料が複雑ではなく、缶詰瓶詰製品のように国内での表示基準もないため、簡単に国内で販売できるように思われがちですが、「輸入」という大きな壁があります。
このような大きな壁は、国内法だけではなく、国際的な食に関する動きを知っておく必要があり、そのうえで判断していかなければなりません。
マーケティング視点で商談と同時に、輸入に際しても問題点や対処しなければいけない事項がないかを同時並行で進めていかないと、商談は決まったにも拘わらず、輸入に関してトラブルが起きて販売できないという事態を招きかねません。

そんなことを先月から続いているお仕事をしながら思いました。

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