そもそも、トランス脂肪酸とは何か

前回前々回と米国におけるトランス脂肪酸の背景、そして日本におけるトラン脂肪酸摂取状況について説明したが、そもそもトランス脂肪酸とは(科学的に)何か?について説明したい。
おそらく、大多数の人がそこのところが明確でないと思う。

トランス脂肪酸が何であるかを説明する前に、
おおもとの油脂の話からしたい。
油脂は脂肪酸とグリセリンか出来ていて、
脂肪酸というのは炭素Cが鎖のようにつらなった構造をしています。
この脂肪酸には、飽和脂肪酸といわれるものと、不飽和脂肪酸といわれるものとがあります。(聞いたことがありますよね!)
化学構造として炭素の二重結合がないものを飽和脂肪酸、炭素の二重結合があるものを不飽和脂肪酸といい、オレイン酸、リノール酸、ドコサヘキサン酸(DHA)などが不飽和脂肪酸に含まれます。
この二重結合している炭素は水素とも結合していますが、この結合の形によってシス型とトランス型とにわかれます。
cistrans

(出典 農林水産省 すぐにわかるトランス脂肪酸)

このトランス型の結合がある不飽和脂肪酸をまとめてトランス脂肪酸といいます。つまり、トランス脂肪酸は、塩化ナトリウムとかショ糖(スクロース)のように決まったひとつのものを指す物質名ではないのです!

はい、これでトランス脂肪酸が科学的に何者かわかりましたよね^^

 

トランス脂肪酸と日本人

さて、前回は米国におけるトランス脂肪酸の背景について説明したが、
今回は、日本ではどうなのかについて説明したい。

WHOは、トランス脂肪酸の摂取は総摂取エネルギーの1%未満であるようにとしています。
これに対して、米国は2.2%、日本は0.3%であり、
日本においては、WHOの提示している数字1%未満よりはるかに低い数値であることがわかります。
でも、そうはいっても個人差があるから、トランス脂肪酸をWHOの提示値より多く摂取している人がいるのでは?という疑問もでてくるでしょう。
これについては、2003年から2007年の国民健康・栄養調査をもとに、摂取エネルギーの多い人から順番に並べて上位5%の人のトランス脂肪酸のエネルギー比率を調べると、なんと、わずか0.73%
この結果からも、日本においては取り立てて騒ぐことも、緊急に対応しないといけない必要性がないことも理解できるでしょう。

日本における死因の第1位は悪性新生物いわゆるガンです。第2位が心疾患であるものの、人数でいうと第1位の約半分であること、また米国と比べると発症率が3分の1~5分の1と低い。
これらの理由により、トランス脂肪酸に関する規制の優先順位は高くないのです。

では、そもそもトランス脂肪酸とは何か?・・・・次回説明しましょう。

食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について(食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/osirase/trans_fat.html

平成 25 年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 (厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai13/dl/gaikyou25.pdf

教室を社会に開く「グループワーク概論」第12回

 

DSC_0398

モジュール3 グループワーク始動

さて、いよいよ集大成のモジュール3のワーク開始です。
前回、4つのチームからプレゼンがあり、チーム編成を行いましたが、
欠席者いた事と、すでにここでやる!と一応決めた学生についても、やっぱりあっちの方が興味があるという学生があるかもしれないということを鑑みて、再度各チームのテーマを提示。
結果は、前回欠席者が新たに加わっただけで、早速ワークに突入。

いかにワークをすすめるか

何回も言っていることだけど、
この授業の大切なことは、アウトプットの成果物の出来が重要なのではなく(もちろんイイにこしたことはないが)、
そこに至るプロセスが大事。
着眼点は、
モジュール1、モジュール2で習ったことを生かすことができて、
グループワークの形をなしていて、
主体的に行おうとしているか 
である。

そこで、私がいるグループでは、こういう問いかけをした。
「グループワークを始める前に一番最初にしないといけない事は何?」
「ん?」
「モジュール2の一番初めにやったでしょ?Wさんモジュール2の振り返りのときに自分で発表していたじゃない」
「ええーなにやろー」
「じゃあ、モジュール2の1回目の時の資料をみてごらん?」
「これですか?」
「うん、それ。何て書いてある?」
「あーーー役割分担だーー!!」
「そう、それ!」
「そうだ、そうだった。それをやらないとだめですよね」
「うん。じゃあ役割には何がある?」
「進行役と記録役と発表役」
「その通り。じゃあ、役を決めてそれからワークををやろう」
「ハーイ」

こんな調子でまず初めに役割分担をしてからワークにとりかかりました。

私が参加しているグループは本の魅力を伝えて、読書をするきっかけづくりをするというのがテーマ。
そのためには、どうしたらいいかを、各自がもってきた、本、マンガ、ラノベを使って分析しながら話し合っていました。

発表準備に向けて

来週は、ワークの続きを行った上で発表準備をしないといけないので、
来週の授業までに各自何をしてくるかの打合せをして授業は終了。

他のグループも自分たちの設定したテーマに向けて活発に話あっていたようでした。
来週の発表準備にむけて、どんな発表スタイルがいいかな。
グループで作った感のある発表スタイルにしていきたいです。

 

トランス脂肪酸は食品添加物ではない

10日ほど前、6月17日前後、米国でトランス脂肪酸撤廃!という報道が相次いだ。
それよりも先にFDAの通達文書を読んでいた私にとっては、ちょっと違うんだけど・・・と思いつつも静観していたが、どうも誤解している人が多いので、説明しておきたい。

そもそも、トランス脂肪酸は食品添加物ではない。
そして、FDAはトランス脂肪酸を禁止したわけではない。
この2点について、間違った解釈のまま報道されているのが散見される。

今回禁止になったのは、PHOs(partially hydrogenated oils )、部分水素添加油といわれるもの。
このPHOsの生産工程でトランス脂肪酸がたくさんできるので、このPHOsを添加物として使用するの禁止に至りました。

トランス脂肪酸は、自然界にも存在しており、また植物油の生産工程でもできるため、トランス脂肪酸そのものをゼロにすることは現実的ではありません。

では、なぜ米国はトランス脂肪酸の摂取量を減らそうとしたのかというと、
これが原因と思われる心疾患による死亡が死因の1位だからです。

これで、今回の騒動と背景を理解していただけましたよね。

では、私たち日本人はどうなの?摂り過ぎていないの?大丈夫なの?については・・・続く

FDAのニュースリリース
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm451237.htm

CDC  Heart Disease Facts
http://www.cdc.gov/heartdisease/facts.htm

 

りけぷら(理系+)でコラムを開始しました

りけぷらとは

老若男女問わず、理系学生に様々な理系情報を、まとめて継続的に発信する。
全ての人に様々な理系情報を、面白く分かりやすく発信するなど
理系のすべてが集まるサイトです。
その中で、身の回りのネタを科学的に解説するコラムを始めました。

コラムのテーマは「料理は科学」
料理をする過程で、なぜそうするのか、なぜそうなるのかは、
科学的根拠があるけど、意外と知られていない。
そこで、なぜそうするのかを科学的に紐解くことによって、
そうなんだ!へぇ~と思ってもらえる内容を書いていくつもりです。

それと合わせて、こっちは発生主義なんだけど、
科学リテラシーに関する内容。
報道で、△△から○○が基準の××倍検出!という報道があった時に、
本当に健康被害があるのかを色々な側面からみて解説していきたいです。

コラムアップは毎週水曜日です♪

というわけで、宣伝でした^^

りけぷら登録

理系の人も、理系でない人も
科学の好きなひとは、ぜひコミュニティ登録を!
りけぷらのアドレスはこちら→http://www.rikei-plus.com/

米粉製品による小麦アレルギー

小麦アレルギーのある人は、米粉製品をよく利用されると思います。
しかしながら、最近、米粉製品による小麦アレルギーの報告が度々されています。

発生原因としては、
事業者の表示もれ、製造工程内でのコンタミ。
消費者の表示確認ミス(記載されているのに確認していなし)などがあります。
事業者はきちんと表示をし、コンタミをなくすとともに、
消費者もアレルギーの表示をよく確認した上で購入しましょう。

4月1日に施行された食品表示法では、アレルギーの確認がわかりやすくなります。
食品事業者は、猶予期間がまだあるから・・・ではなく、消費者の安全のために一日でも早く新法にのっとった表示に切り替えて欲しいです。
これに関する消費者庁のリーフレットはこちら

読書会に参加しました

今日は、ひがしなだ健康くらぶ主催の読書会に参加しました。
毎回あれこれテーマを変えるのではなく、ひとつのテーマを深ぼりしようということで、
今年のテーマは「わかりにくさから逃げない」
課題図書は「武田砂鉄著 「紋切型社会-ー言葉で固まる現代を解きほぐす「」
各自課題図書を読んだうえでのディスカッションは次の通り。


紋切型が増えたのはtwitterが浸透してからと思う。
わかりやすい→いいね!が増える→承認欲求満足
ある程度専門的なことは読み手が学習する必要もある
等など


話は尽きず、活発なディスカッションでした。

この後、次回の課題図書の選定相談。
いくつか候補があがったので、読みやすさや入手しやすさも含めて、近々決定。
知的好奇心を刺激された素敵な土曜日でした。

教室を社会に開く「グループワーク概論」第11回

DSC_0368

モジュール3に入ったよ

授業も終盤、モジュール3に突入しました。
今日はまず4チーム(チームリーダーはもちろん学生!)からモジュール3で行うテーマのプレゼンがあり、それを聞いて、学生・見学者とも自分が参加したいチームのもとへGO!
プレゼンの内容は次の通りでした。

Fチーム 写真とイラスト+αでその一瞬を振り返る
Mチーム 名刺で自己主張する
Rチーム 恋愛について語る
W&Kチーム 本とマンガ。読書は楽しい。

各チームにわかれた後、まずはゴールのイメージづくり。
これが意外と難しかったようで、苦戦してるグループがありました。
きっと、到達目標、それを達成するための方法、この企画をする目的
この当たりの言葉の意味とそれにあてはめるにはどれが適切なのかがぐちゃぐちゃになっていたみたいで、ひとうひとつ紐解きながら、説明フォローをしました。
今日の記入シートもそういう意味ではちょっと書きづらかったかな。
まぁ、そんな事がありつつもグループワークは無事に終了。
プレゼンの内容をブラッシュアップして、各チームテーマタイトルの設定、発表と無事にテーマ設定終了。
次週は目標に向けてワークを設計します。

大切なことは何か

ワークのアウトプットであるコンテンツも大切だけど、
一番大切なもは、そのコンテンツを作るまでのプロセス。
モジュール2でグループワークのやり方を学習しているので、再度振り返って思い出して、
モジュール3にいかして欲しいです。

平成27年度内閣府食品安全委員会食品安全モニター会議に出席しました

11391445_10206910371827064_1954413494867448976_n

食品安全モニター会議

毎年この時期になると、食品安全委員会食品安全モニターの会議が地区ブロックごとにあります。
例年ならば、モニター会議のみなのですが、今年は、一般市民も参加できる公開講座と一緒に開催されました。
一般市民もできる公開講座は昨年までは東京開催のみだったのですが、
他の地域でも聞きたいという希望があり、今年から地方でも開催そしてそれにあwせて食品安全モニターの会議も開催となりました。

公開講座「私達のからだの代謝(体内分解)機能~添加物を例に~」

公開講座のテーマは「私達のからだの代謝(体内分解)機能~添加物を例に~」
食べたものがどのように代謝されていくかの生理学的な話のあと、添加物のについて。
添加物の意義や一成分としてみたら、日常食べている食品に含まれており、食品として食べる分には問題ないが、その成分だけを抽出して添加する場合は安全性に問題がある物質もある(例えば、メチルオイゲノール)
生体の処理能力や生体影響の特性などをふまえて閾値が設定されている
というお話でした。

今年度より新たに加わった活動報告

そしてその後は、例年通りの食品安全モニターの会議へ
食品安全委員会は、他の省庁のようにいわゆる出先機関がないため、地方での出来事や問題点等の情報収集をすることができないため、その部分の業務を担っているのが食品安全モニターです。
そのため、今年度新たに加えられた活動が「身の回りにおける食品安全関係の話題」の報告です。
良い取組も問題があると考えられる取組、良いことも悪いことも含めてローカルニュースは食品安全委員会のある東京では入手しづらいので、ぜひ報告してほしいというものでした。
民間だけに限らず市町村レベルでのニュースについては報告していきたいな。
そして、最後に恒例のグループワーク。
毎年テーマに沿って行うのですが、そもそもグループワークをこのモニター会議にて行っている理由は
“モニターが周囲の人に情報を発信するときに何をどのように伝えるのかイメージを持ってもらう”ため。
ちなみに今年のテーマは食品添加物についてどのように伝えるかでした。
各グループで話し合い、発表と行いましたが、それぞれのグループで特色があり、他のグループの話もなるほど~と思うところもあり勉強になりました。

そんなわけで、今年度も食品安全のために、頑張りますよ♪

あじさいには毒がある

梅雨とあじさい

梅雨の時期になりましたね。
この時期に似合う花といえば紫陽花。
色も大変綺麗です。
そして、昔から和歌に詠まれるほど身近な植物でもあります。

食べるな!あじさい

しかし!あじさいには毒があります。
過去に(2008年、2011年)、あじさいの葉を刺身のツマのように料理にそえられていたものを食べて食中毒患者が出ています。

料理に何かそえられていても、それが何かわからないものは食べない。
明らかに食用とされているものは、たとえ添え物でも提供しない。

食べるな危険!

これは、あじさいに限らず植物性自然毒による食中毒には共通することです。
むやみやたらに、何でも口にしないように心がけましょう。