仕事は選べないが仕事のやり方は選べる

というのは、ある著明人の言葉。

先日、ある会社の監査に行った。
そこは、100%下請けを行っている会社であった。
工程管理上の問題があったので問題点を指摘しその対策方法をアドバイスしたのがら、
口から出てくる言葉は「1個ナンボでやってる下請けですから・・・」
いやいや、下請けだからといって工程管理をしなくてもいいなんてロジックなんかないし、
下請けだからって卑下する必要もない。
監査が終わり、帰路で色々なことを思った。
その1 言葉はやはり言霊なんだ
言葉ももつ威力は大きい。自社のブランドでなくかつ商品仕様を与えられて生産している会社はたくさんある。
これをどうとらえるか。
下請け?OEM?もっと広くみたらISO9001設計除外。
この被監査会社はその生産する商品に必要な特殊な設備を持っており、そのため他社から生産依頼が来るのが事実。
それならば、大きな顔でOEM企業として盤石のしくみを作ったらいいし、
自社ブランドがなく、商品の仕様を自社で決定しないところのために、ISO9001は設計を除外できることになっている。
そういう考えで会社を運営することもひとつの方策。
それを経営者自らが「下請けだから」と拗ねていてはいけない。
その2 そこで思ったのが仕事は選べないが仕事のやりかたは選べる である。
長年、下請けをやってきており、おそらく今から自社ブランド商品を開発するのは、資源的に難しいだろう。
そういう点において下請けという仕事以外は選べないが、
そのやり方が選ぶことができる。
それが先にあげた、OEM企業として確固たるものをつくりあげる、ISO9001(設計除外)の運用ができるレベルまでする
という風に仕事のやり方は選べるのである。
そしてそのように会社のベクトルが向かえば、得意先も見ているのでここの会社なら安心して任せられるということになる。
それが結果として、売上や利益に貢献するのである。

そんなことを思いながら帰り道の電車に乗っていたのでした。
早く相談に来てくれたらいいのにな。

がんばれ、おっちゃん!

昨日出かけたついでにコンビニに寄った。
レジで支払いをしようと待っているとこちらにどうぞと別のレジの人が声をかけてくれた。
そちらのレジに並ぶと60歳前後のおっちゃんがトレーニング中という名札をつけてレジをしている。
「あーなんだかわけがあって働いているんだな」としみじみ。
上着こそ着ていないがワイシャツにネクタイという典型的サラリーマンのいでたちでレジにたっている。
支払う段になって、私が「Suicaでお願いします」というと、
Suica???!!!!(なんじゃそれ)とかえってきた。
あーおっちゃんSuicaを知らんのやわとわかったので
「レジのICOCAのボタン押したらいいですよ」と教えてあげた。
支払を済ませてレジ袋に入れようとしているのだけど、
レジでピっとしたときにすでにひっくり返されたサラダがまたひっくり返されようとしているww
飲み物が2本入った袋にサラダ入れてもひっくり返るって
別にもうひとつ袋があったので、「これはこっちにこういう風に入れたらいいんですよ♪」教えてあげた。
接客態度と商品の扱い方をみて、きっと内勤事務系の仕事してきたんだろうな~って思った。
でも、一生懸命仕事を覚えなきゃ、やらなきゃという気持ちは伝わってきた。

はっきりいって、休日の昼間という時間のあるときじゃなかったら、イラっとくるぐらいどんくさくはあったけど、
おっちゃんの一生懸命さで、イラっとくる気持ちは消されてそれどころか応援したくなった。
何日過ぎたら、また行ってみよう。おっちゃん、成長してるかな。

ギョーカイというバカの壁

ギョーカイと言っても、世間でよく使われているギョーカイの意味ではなく、ある特定の商品を作っている業界という意味。

先日、ある食品工場の監査に行き、このままでは事故・自主回収発生の可能性があると判断したので、
問題点を指摘してどのように対策をとればいいかアドバイスをした。
その時言われたのが、
「うちのギョーカイでは・・・・」のひとこと。
ギョーカイでの決まり事や暗黙のルールが法律やグローバルスタンダードを順守し、より先行しているのなら、それはそれでOKであるし問題ない。
しかし、得てしてギョーカイの常識≠法律・規制・グローバルスタンダート なのである。
きっと半世紀前はギョーカイの常識≒法律・規制だったのだろうけど、
世間の変化に業界の常識がついていってないのである。
これこそがバカの壁である。

わかりやすく丁寧に問題点を指摘していることに対して、問題意識がたとえその時初めて芽生えたとしても、その気持ちがあれば、バカの壁は崩れる。
しかし、指摘されたことに対して問題意識を持たず、いやそれ以上に拒絶するならばバカの壁は高くなる一方である。

この壁の存在が影響するのは、工場の食品安全に関することだけではない。
会社の経営にまでその壁は影響している。

壁の中で籠城するのか、壁を壊して外の世界を見るのか。
まずは自分の中にある壁に気が付くことがカイゼンの始まり。
そんなことを感じた監査だった。