身体をつくるという仕事

最近、医療に関す本が次々と出版されているようで、あちこちで話題になっている。
そこで、これを食に置き換えて、みんなどうのような事に興味があるのだろうかと考えてみた。
考えてみたけど、網羅する範囲が非常に広い、広すぎる。
だから、既存のものをみると、どうしても範囲を絞って語られているのが事実。
でも、そうなると書き手も読み手も近視眼的になりやすく、全体を俯瞰してみる機会を失う。
では、その現状を改善し、食というもの全体を見て発信するにはどうしたらいいか。
考えた結果を一言にしたのが今日のタイトル“身体をつくるという仕事”
つまり、みんなそれぞれの身体はその人自身が食べたものでつくられていく。
その大前提があって、そのつくられていく過程においてアドバイスや助言、さらによりよくするにはどうしたらいいか?を考えるのが、
身体をつくるという仕事になる。
そのためには、どういう切り口でどのような内容がいいか。
食全体を見たうえで情報を発信していけたらいいな。

最近よく聞く“COPD”ってなに?

先日、医師であるお友達のところで、COPDのことが話題になったので、ちょっとまとめてみることにした。

そのためには、厚労省の健康日本21(第2次)から話さないといけない。
健康日本21とは、21世紀における国民健康づくり運動のことで、あるべき姿を目指して基本的な方向、目標が設定されている。
この健康日本21が5年ごとに見直しされており、ちょうど今年2013年が見直しされ健康日本21第2次として方針が出された。
この健康日本21第2次の基本的な方向-生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底の中に今回COPDの認知度の向上という項目が織り込まれた。

COPDの90%以上が喫煙が原因とされる呼吸器疾患で、喫煙という生活習慣が要因となることから、肺の生活習慣病とよばれている。
自覚症状としては、息切れや咳の増加、活動量の低下などの症状があり、生活に支障をきたすうえ、長い間気づかないうちに症状が進行していく。
厚生労働省の人口動態統計によると、2011年には日本の死因順位9位、死亡者数16,ooo人をこえている。しかしながら、症状が良きぢれや咳・痰といった通常の生活でも起こりうる症状のため、検査を受ける機会が見逃されていることが懸念されている。
さらに、これまでの健康づくりの中心であった肥満や肥満からの疾病対策とはまた異なるアプローチが必要であり、大きな課題となっている。
そこでます、COPDとは何かを知ってもらうことが今回の第一の目標として掲げられている。

COPDは糖尿病などの生活習慣病へも大きく影響し、重症化すると栄養障害や筋力・筋量の低下を引き起こすため、喫煙はがんや糖尿病などのコントロールに加えて、COPDに直接影響することを認識してなければならない。
禁煙指導においては、やめられないとかやめても続かないという声をよく耳にするが、簡単にやめられないのが普通で、やめられない・やめても続かないといって、禁煙することを断念するのではなく、振り返ってみて、先週より、先月より喫煙量が減ったことが大事であり、喫煙している状態から徐々に抜け出すことに視点を置く必要がある。もちろんそのためには禁煙を補助するグッズを使うのも有効。

禁煙外来をはじめ、COPDという大きな課題を解決するには、本人や医療従事者のみならず、自治体や様々な職種で幅広く連携していくことが必要であり、そのためには、COPDとはなにか、現状はどうなっているかを知ることが先決である。

ダニ媒介性疾患のまとめ

今日は早朝から米国CDC主催ライム病webcastがあり、それを視聴していました。

それで改めて”ダニ媒介疾患”についてまとめてみた。
今年1月日本で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者が発生したのをきっかけとして、ダニ媒介疾患が再び問題視されています。
SFTS以外のダニ媒介疾患としては、
日本紅斑熱、ツツガムシ病、今朝のwebcastであったライム病があり、これらは全て四類感染症に指定されています。
(四類感染症はその他にE型肝炎、A型肝炎、黄熱病、狂犬病などがあり、動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症と定義されています。←このように示されるとその重大性がよくわかると思います)

CDCのライム病に関するまとめが非常によくできているので、興味のある方はどうぞ。
同じダニ媒介性疾患の予防法は参考になる、それ以上のここまで言及した方がいいよね。
http://www.cdc.gov/about/grand-rounds/archives/2011/pdfs/PHGRLymeMay2011.pdf

現在、日本では少なくともマスコミレベルでは風疹の話で持ち切り。
もちろんこれはこれで大変大切な問題。
でも、ダニ媒介性疾患もこれからがピークを迎える時期。
年間の報告件数は、2011年度平成23年度で ツツガムシ病 462件、日本紅斑熱 190件
これらの疾患に対するワクチンはなく、発症した場合重篤化することが多く、一定の抗生物質(テトラサイクリン系)しか効かないという厄介さを抱えている。
その一方で、予防することは決して難しくない。
草むらや野原に行く際には、防虫スプレーをし、長そで長ズボンを着用。肌を露出させない。
草むらに直接座らない、衣服を置かない。
帰宅したらすぐに着替える・・・等。

まだしばらくアウトドアでのレジャーの季節が続きます。
少しの注意で、自分や身の回りの人の健康を守りましょう。

じゃがいものソラニンによる食中毒がなぜこんなに頻繁に発生するのか

また、小学校でじゃがいものソラニンによる食中毒があったようです。
詳細はこちら

結論からいうと、じゃがいもの皮や芽の部分には、ソラニン(配糖体アルカロイド)が含まれているので、芽は取り除いて皮はしっかりむきましょう。
未成熟のいもは特にアルカロイドの含有量が高いので食べないこと。
ソラニンは化学物質であり、加熱しても変化しません。食中毒予防三原則で「つけない」「ふやさない」「やっつける」というのがありますが、これは細菌性食中毒をターゲットにしていわれている標語であり、ソラニンを含む化学物質には該当しません。

では、なぜこんなにじゃがいものソラニンの食中毒が頻発しているのか?
発生事例をみていると、理科の実験でじゃがいもを栽培→家庭科の実習でそれを利用する
というのが見受けられます。理科の実験でじゃがいもを栽培するのは問題ないですが、それを家庭科の実習で使うのはいかがなものか。あまりにもリスクが多きすぎる。(後述にあるが、内閣部食品安全委員会から文科省への働きかけも必要)
そして、もうひとつ。これは先日の内閣府の食品安全委員会モニター会議の席上で出ていた話だけど、もったいないから野菜の皮も捨てずに食べましょう!というのも多少なりとも影響しているようで。もちろん、食べてもいいものもあるけど、じゃがいものように食べてはいけないものもあるということを各自が認識しなければなりません。

実は、じゃがいものソラニンだけでなく、本来食べてはいけないものを知らずに・間違えて食べてしまって食中毒になったという事例を最近目にします。
例えば、アジサイの葉 ニラと水仙と間違えて  など。
むやみやたらに、自生しているものをとってきて食べるのは非常に危険。

食中毒は細菌性やノロウイルスに代表されるウイルスが原因だけではありません。食中毒になる可能性のある物質は自然界にたくさんあります。
なお、平成24年度食中毒統計(厚労省)によると、
細菌性 患者数5964名、死者8名
植物性自然毒 患者数218名 死者2名

じゃがいものソラニンだけでなく、自然毒について見直し考え直すきっかけになればと思います。

食品中の成分の分析のお話を聞いてきました。

今日は、ある検査機関主催の食品の成分の分析に関するお話を2つ聞いてきました。

1.「食品中のミネラルとその分析方法」
ミネラルとは何か?→生体内の構成成分のうち、主要元素である酸素・炭素・水素・窒素を除く全ての元素の総称で、生。命維持に欠かせない五大栄養素のひとつ。
このなかで、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、セレン、ヨウ素について詳細に説明
ミネラルの働きは生体組織の構成成分と生体機能調節。→普段の食事をバランスよく摂ることが大切。
分析において試料の採取・調整により分析結果が変わるので、ここは重要点。
加工品の場合、その原材料情報が詳細であればあるほど、分析における判断材料となり、より精度の高い結果を導くことができる。

2.「食品のおいしさの要因~アミノ酸、核酸、有機酸について~」
おいしさは、味覚で感じる味だけでなく、嗅覚や触覚や視覚、さらに環境や身体の状態など総合で判断される。
基本の味、五味+辛味と渋味
食品の味に関与する成分について:アミノ酸・核酸・有機酸・当などの成分が関与
分析上の注意:遊離体で存在する成分の分析方法を選択すること。
おいしさを成分分析によって数値化することは客観的な方法ではあるがそれだけでは判断できない。

 

さて、内容については、既知の部分が大半であったが、改めでなぜこの時期に検査機関がこのようなセミナーを開催したのかが重要である。
これは、すでに閣議決定されている、栄養表示基準改正と関係していると判断している。
もちろん現行法でも記載数値に対しての誤差は一定範囲認められているが、今回の改正では低含有量のものについては、別途誤差範囲を定める案が出ている。それを見越して、ぜひ、分析依頼を!ということなんだろうなと思いながら聞いていると、質疑応答での受け答えも含めて、あぁやっぱりねと納得するものでした。

飲みニケーション考

原理原則として、飲みニケーションは好きである。
でも、飲みニケーションありきは好きではない。
突然なぜこんな事をいうか。ずっと自分の中で思っていた気持ちの堰を切る発言を先日耳にしたからである。

講演会など催し物のあとに名刺交換会を兼ねていわゆる飲み会をすることはあると思う。
その時の参加者の立場は、主催者・講演をしていただいた方々・その他賑やかし(笑)となる。
ここで問題となるのが、その他賑やかしに属する人たち。
この賑やかしに属する人たちは、主催者と何らかのつながりがあり、そのしがらみ?!や付き合い?!で参加しているのが大多数である。
もちろん、参加のたびに講演をしたいただいた方と名刺交換・情報交換ができればいいのだが、そうとも限らない。
そうなると、はじめはしがらみや付き合いで参加していたものの段々と参加すること自体に疑問をもつようになる。
特にBtoBとしての関係でなく、主催者との個人的な関係で来ているのならなおさらである。
飲み会の費用を主催者全額負担しても、やはりもったいないと思うのはお金ではなく、“時間”であり、そのとき体験する空気感であり、自分にとって刺激になるものが存在するか否かなのである。

これは、社内の飲み会でも通じると思う。
社内だと同じメンバーで、いつも同じところになりがち。
メンバーが同じでも、行くところ=店が変われば刺激も学ぶ点も知的スパークもあるだろうけど、
メンバーも同じで店も同じだとすると、その頻度はどんどん下がり、ふりかえってみると虚しい時間だけが過ぎている。

断っておくが、飲みニケーションを否定しているわけではない。
それはそれで、ビジネスの要素としてスパイスのようなものである。
上手に使えば、そのスパイスで仕事という料理の出来もよくなるだろう。
しかし、スパイスは入れすぎると、美味しい!にはならないし、
ましてや、その料理にあわないスパイスを入れると、料理そのものを壊してしまう。

それを忘れないでおくと、最適飲みニケーションはどうしたらいいかわかるんじゃないかなと思ったこの週末。

 

微生物との一週間

偶然なんだけど、今週はたまたま微生物関連の話づけでした。
どんな話だったかとを簡単に紹介。

1.職場における感染症対策
感染症の概論から始まって、バイオセーフティ、職場ごとに注意すべき感染症について
再興感染症(re-emerging infections disease)は油断してはいけない
感染症予防において、主な病原体の最小ヒト感染量はバイオセーフティを考える上で重要な要素となる
職場ごとで発生する感染症に特性があるので、それを念頭に置く必要がある

2.実験動物について
実験動物が依然として持っている疾病についてスライドとともに紹介
しかしながら、最近のジェネリック医薬品の普及で実験動物を使い、一から製薬を作るところが年々減ってきている。
実験動物を扱うのはハード面はもちろんのこと、それに携わるのに高いスキルや知恵が要求されるため、今後の行く末が心配
また、特定の疾患を調べるときは、昔はそれにあった系統のマウスを使うのがセオリーだったが、最近はノックアウトマウスを使うのが普通になってきており、この系統別で使用するという知識が廃れていくことを懸念

3.苦情につながる微生物とその検査法
食品の変質事例とその原因、対策方法
洗浄度合いをみるための簡易検査方法

4.微生物検査における問題点とその解決方法のワークショップ
6~7名の班にわかれて、日常微生物検査で困っていること悩んでいることをあげて、それを解決するにはどうしたらいいかをグループで討議。
のち、各班発表。
これは、面白かった!検査する菌が同じでも検査対象が違うとあぁそういうやり方もあるのねと発想の転換ができるし、いかに柔軟に考えられていないかを再認識している人もいた。
でも、大切なことは微生物の研究者じゃないので、検査によって担保しないといけないことは検査対象が安全かいなか。そこを忘れがちになっているのも感じた。

そんなわけで、一週間の間に何日かに分散しながら、微生物のお話を戯れていた一週間。

まちづくりは術で始まり術で終わる

第6回植本祭 「アートで仕事をする!仕事人対談 series 2」 @まちライブラリー 大阪府立大学に参加。
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今回のテーマは「まちとアート」新たな関係を切り拓く。カタリストは KIITOデザイン・クリエイティブセンター神戸 センター長 芹沢高志氏
もともと地域計画(都市計画よりもう少し広範囲)の仕事をされていた芹沢氏が「まちとアート」に携わることになったきっかけから今日に至るまでの過程をお聞きしました。
そのきっかけとなったのは。1989年に東京の都心のど真ん中にある、ある禅宗のお寺のプロジェクトにかかわったこと。
そのお寺の道場にてたまたまバックミンスター・フラーの展示をおこなったことが起爆剤となり、その寺とアートが生まれる(ちなみに海外では禅(zen)と現代アートの親和性が高く、海外から高い評価を得る)
その後、とかち国際現代アート展、横浜トリエンナーレ2005アートサーカスを経て、別府現代芸術フェスティバルを手掛ける。
別府現代芸術フェスティバルについては詳しく話があったのでそれを記すと、
・街に直接関与
・湧出量は実質世界第一位
・アート作品を探しながら見ながら街を探索する→星座型面的アートコンプレックス構想
・美術館のようにそれ専用に作られた空間で展示するのはラクではあるが、そういう特殊な場所に閉じ込めておいていいのか
・作品の価値というのは、それがおかれている環境も含めてその場の演出により変わる
まとめてして、まちとの関係でいう“アートは、作品などに代表されるモノではなくて、術でありワザである ということだった。

ここから先は私見だけど、
まちづくりをした結果、何がそこに残るのかを考えた時、少し前に読んだ内村鑑三の書の言葉が浮かんだ
「我々は何をこの世に残していこうか。命か、事業か、思想か。・・・・何人にも遺し得る最大遺物―それは勇ましい高尚なる生涯である」
つまり、まちづくりをした結果、後世に残すことができるのは、そのまちづくりにおいてどれだけの生涯をそこに残したかだと思う。
それが、芹沢氏のいう「術」につながる。そう最後に感じた。

さて、お話のあとは恒例の懇親会。今回は人数も20人程度でこじんまりしていたのもあり、濃い話ができた。
その中で一番興味をひいたのは、
セミナーとかで動員人数を多くするには、脳幹を刺激するのが一番!
つまり、本能を刺激されると動員人数は増える。
しかし、逆に大脳皮質で考える企画は、動員人数は多くない。
しかい、1回に5人しか来なかったとしても、その人がそれぞれ新しい5人をよび紹介するという行為を10回繰り返したら、約1000万人とつながる。
人を呼ぶ企画をすると、それがうまくいったかどうかを動員人数で判断することが多々あるが、そうではない。
いかに影響を与え、そしていかにつながるかが大事。(このあたりは、マーク・ブキャナン著「複雑な世界。単純な法則」に通じるものあり)
脳幹に刺激する企画と大脳皮質に刺激する企画とはどちらがどうというものではなく、それぞれ特異性があり、それを開催する場所や環境により選択する必要があり、実はこれが成功を握るカギとなる、
刺激を与えたい、主催者側が求めるペルソナを明確にして、レイヤーを選ぶことが大切。

そんな濃い一日。